2021年9月13日(月) 福岡市の天神地区は、九州最大の集客力を持つ商業集積地です。
また、観光にも力を入れていて、九州全体や西日本地方を始め、韓国や中国などの海外からも多くの観光客が訪れるそうです。
「福岡三越」が、この地に出店したのは、1997年(平成9年)10月でした。
当時、私は、三越の本社に勤務していたので、開店の応援要員として、1週間ほど派遣されました。
(若い頃の、懐かしい想い出の一つです。)
行列の整理をしたりする為、応援スタッフは目立つ必要があり、全員が真っ赤なジャンパーを支給され、着用しました。 博多だけに、明太子の色なのかと思ったものでした。
オープン時、「福岡三越」のストアコンセプトは、「くらし感動百貨店」でした。 百貨店と言うと、冠婚葬祭やギフト(お返し品)、贅沢品等、よそゆきの改まった需要が付き物でしたが、この「福岡三越」については、くらしを意識した、よりカジュアルなイメージを目指していたのです。
要するに、生活密着型と言うか、日常使いの消費にスポットライトを当てた品揃えが特徴でした。
(三越としては、恵比寿三越で培ったノウハウも積極的に取り入れ、これまで以上に若い世代をターゲットにしようとしていたと思います。)
「福岡三越」のオープン日当日(10月1日)は、開店を待つお客さまが、最高1万人にも達する程の来客状況でした。
データによると、その日の来客数は18万人に達したそうです。
福岡市の人口が160万人と言われているので、この数がいかに大きかったかを、改めて感じます。
もっとも、「福岡三越」は、建物の構造上、出入り口が非常に多く、2階には西鉄のホームが入っている事情もあるので、純粋に買い物客だけで、その数字に達したかどうかは明らかではありませんが。 しかし、実際に、その場に立ち会った身としては、次から次へとお客が入ってきて、ものすごい来客があったことは実感しています。
まさに、人で溢れて混乱の極致でした。
今、この「福岡三越」は、三越と伊勢丹が経営統合したことに伴い、岩田屋三越が運営しています。
(岩田屋三越は、三越伊勢丹ホールディングスの関連会社の一つです。)
「福岡三越」は、地下1階に「ラシック」がテナントして入る等、開店当初に比べると、大分、フロア毎の展開等で変更を余儀なくされました。
しかしながら、今でも、博多・天神地区の中心地にあることに変わりありません。
今後も、きっと、地元や多くの観光客の支持を受け、輝いていくことと確信します。
三越や伊勢丹と言う、頭でっかちな全国企業と手を切り、九州のローカル百貨店だった岩田屋の運営に移行したことも、結果としてはよかったと思っています。
(今は、地方にあって、小回りの利く企業の方が生き残る時代ですから。)
遠藤雅信
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