
2021年10月26日(火)
2005年(平成17年)5月に、株式会社三越の本社(コーポレートコミュニケーション部史料編纂担当)が発刊した、所謂、社史です。
とても分厚く、内容も充実しています。
格調が高いと言うか、実に立派な書物と言えます。
(それだけ、貴重な書物ということでしょうか?)
買えば高価そうですが、実は、この本は非売品です。
在籍の三越社員に限定して、配布されました。
そのような経緯で、私も入手し、現在に至っています。
1904年(明治37年)から2004年(平成16年)に至る期間(100年間)の、三越の動き(歴史)について、それぞれの年ごとに詳しくまとめられています。
勿論、1673年(延宝元年)に創業した、三越の前身である呉服屋「越後屋」のことについても触れられています。
写真や資料等が豊富で、とても興味深い本と言えます。
私は、普段使っているデスクの前に、常時、置いています。
そして、何かある時に、手に取って調べ物の材料にしたりしています。
とてもよくできた社史で、読み応えもあるので気に入っています。 (装丁に使われている色は、ちょっと地味ですが。) (よく見ると、「ハロッズ・グリーン」を意識しているのだと思います。)
私が、三越に入社した1981年(昭和56年)のページを開けてみると、①第1回「三越レディスオープン」ゴルフ大会開催②海外店舗「香港三越」「フランクフルト三越」の開店③百貨店「サンシャインシティ三越」開店④小型売店「大船三越エレガンス」等が、特に大きな出来事として記載されています。
1981年は(昭和56年)は、三越が拠点を増やし、業態を広げた一年だったようですが、翌年1982年(昭和57年)の出来事を見ると、所謂、「岡田事件」(岡田茂社長の解任)と言う不祥事により、大いに信用を失墜したことが書かれています。
今現在、三越は伊勢丹と合併した為、会社名の三越は残っていません。
暖簾や屋号としての「三越」が残るだけです。
一抹の寂しさを感じますが、これも時代の流れだったのかと理解しています。
実は、三越が伊勢丹と合併する以前、何度か倒れかかったのは事実だと思います。
そうした最悪の事態(会社の倒産)を避ける為に、取り入れられたのが「希望退職制度」でした。
小売業にとって、人材は何よりも大切な財産だと思います。
いくら、経営効率の向上とは言え、人を切ってしまったのは、後々までマイナスとして作用したと思います。
(リストラは、カンフル剤のように、一時的な対処療法だと思います。) 2002年(平成14年)に初めて行われた。三越全店での「ジャイアンツ優勝セール」は、売上の底上げに大いに効果があり、これにより、業績も一時浮上しました。
まさに、「ジャイアンツ」が神風になりました。
いろんな想い出が一杯詰まった、「三越の歴史」は、知れば知るほど面白いと、個人的には思います。
遠藤雅信
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