2021年10月21日(木)
昨年、長期入院していた病院で、この本に出会いました。
ヒット作を連発している人気作家、原田マハさんの代表的な作品です。
初めて、本を手に取った時は、原田マハさんについての予備知識は全くありませんでした。
でも、この本をきっかけに、すっかり原田マハさんに嵌まってしまったと言えます。
構成がしっかりしていて、叙情的でもあり、とても奥の深い作品だと思いました。
全体のストーリーは、その生涯においては1枚も絵が売れなかった画家のゴッホと、そんな彼を支え続けた弟テオを中心に展開していきます。
2人の間にいろんな葛藤が起こったり、ゴッホが自己の芸術性を発揮する上で悩み苦しんだり、とてもピュアだと感じました。
個人的に、ゴッホの絵(作品)は大好きです。
東京で開催された、過去の「ゴッホ展」に、何度か足を運んだことがあります。 (日本人に、ゴッホ好きは多いですね。)
代表的なアイテムである、ひまわりの静物画もいいのですが、特に魅力を感じるのは、南フランスを描いた風景画です。
光の量が多いというか、とても明るくて綺麗な色調が特徴です。
ゴッホの天真爛漫さが、強く発揮されているなぁと感じます。 そんな私だからこそ、よけいに引き込まれた部分も多いと思います。
ゴッホは、沢山の素敵な作品を世に残しましたが、けして成功者にはなれませんでした。
弟のテオも、また、兄のことで苦労ばかりが背負い込む生涯になりました。
画家のゴッホは、若くして死を迎えますが、テオもまた、兄の死後、後を追うように亡くなります。
いろんなエピソードも散りばめられていて、実に読み応えのある作品でした。 遠藤雅信
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